ゆるワイントーク SUBRINA

ワインが好き。でも、まだよくわからない。
銘柄も、ぶどうの種類も、味の違いも…知らないことだらけ。

それでも、美味しいごはんと一緒にワインを飲む時間が、なんだかとっても幸せ——。

この連載は、ワイン初心者“あやさん”がSUBRINAのソムリエ2人とゆるりと話しながら日常の中で見つけた小さな発見や、ふと湧いた疑問をひとつずつ解決していきます。

読み終えるころには、あなたもきっと「やっぱりワインっていいな」と感じられるはず。

今回のテーマは、あやさんが気になっていた「ワインの保管方法」。

ワインセラーがなくてもできる、自宅での美味しさキープのコツをご紹介します。

あや

あや

ワイン好きエディター

もっとワインを楽しみたい。そんな想いから、少しずつワインを学んでいます。ワイン初心者の立場で、日頃感じる疑問や気づきをお聞きします。

青樹 英輔

青樹 英輔

SUBRINA 代表/J.S.A.認定ソムリエ

お酒が生み出す素晴らしさを、日々探究しています。学び重ねてきたワインの引き出しから、できるだけ噛み砕いてご説明します。

角野 茉里子

角野 茉里子

SUBRINA ブランドマネージャー/J.S.A.認定ソムリエ・WSET Level3

ワインの背景やストーリーを探究することが好きです。ワインを身近に感じていただけるよう、わかりやすい言葉でお伝えします。

ワインを自宅で保管するために知りたいコト

── ワインセラーがなくても大丈夫!

あや:美味しそうなワインを見つけて、つい買っちゃいました! 来年の誕生日まで取っておきたいんですが…ワインセラーがなくても大丈夫でしょうか?

青樹:その気持ち、よくわかります!来年の誕生日まででしたらそれほど神経質になる必要もなく、ワインセラーがなくても問題ありませんよ。

あや:なるほど。安心しました!ついでに、自宅保管でこれは避けたほうがいい…というポイントも教えて欲しいです。

── ワインを自宅保管するときの大切なポイント

角野:ワインを保管するときに大切なのは、たった3つ「①夏場の高温を避けること、②温度変化をできるだけ少なくすること、③紫外線を避けること」です。

あや:この3ポイントを守るために、私におすすめの保管場所を教えてください!

角野:温度が安定している場所として、北向きの納戸に保管するのがおすすめです。北向きの納戸がない場合は、クローゼットの下段もいいと思いますよ!

青樹:たしかに、北向きの納戸はよさそうだね。リビングやキッチンのように日差しや熱が入りやすい場所は避けたいです。遮光も重要なので、段ボールや新聞紙、布などで包んで紫外線を防げるようにするとさらにいいかも。とくに白ワインや透明ボトルは紫外線に弱いので、しっかり遮光してあげて欲しいかな。

ワインの保管

湿度や振動も考慮する場合もありますが、今回のように5年未満の保存なら今お伝えした工夫で十分だと思います。

 

あや:よかったぁ。クローゼットの下段に新聞紙で包むことなら、ズボラなわたしでも守れそうです。でも、真夏日は室温がどうしても上がってしまいますよね。室温が30℃を超える日もあるからクローゼットでもちょっと心配かも…。

角野:最近の夏は真夏日が続きますもんね。先ほどお伝えした北向きの納戸やクローゼットの下段であっても、高温になってしまうお家もあると思います。

そんなときは、冷蔵庫の野菜室での保管が安心です。その際は新聞紙やビニール袋で包んであげましょう。

ワインの保管

── なんでワインはクール便で届くの?

あや:温度変化と紫外線を避ければいいんですね。でも夏場、ワインを注文するとクール便で届きますよね?あれも、そのまま常温保存に切り替えてしまっていいんですか?

青樹:たしかに、不安になりますよね。クール便は、夏場の輸送中に高温による劣化を防ぐためのものなんです。届いたあとはずっと冷蔵庫に入れておく必要はないんですよ。

ただし、急激な温度変化は避けてください。たとえば、5〜10℃の状態からいきなり30℃近い部屋に置くと、瓶内の液体が膨張して中身がにじみ出たり、味が乱れることがあります。

おすすめは、まず涼しい部屋(15〜20℃)に数時間置いて慣らし、ゆっくり常温へ戻していくこと。新聞紙やタオルで包むと温度上昇がやわらぎ、ワインへの負担も軽くなりますよ!

あや:急な温度変化だけ気をつければよかったんですね!慌てて冷蔵庫を片付けたこともあったので、次回からオンライン注文も安心してできます。笑

ワインの保管をしないと起こるコト

あや:そもそも、保管がきちんとできていないとダメなのでしょうか。アルコールだから腐ることはないですよね?

角野:そうですね、ワインはアルコール飲料なので腐ってしまうことはほとんどありません。ですが、保管状態が悪いと、せっかくの香りや味わいが劣化してしまいます。

たとえば、30℃を超える環境では香りが飛び、果実味や酸が失われることがあります。赤ワインの場合は、甘ったるくぼやけた味になることも。とくに夏場の車内のような極端な高温は、ほんの短時間でも避けたいところですね。

青樹:紫外線はポリフェノールや香り成分を分解し、「日光臭」と呼ばれる硫黄系の欠陥臭を発生させる原因にもなるんですよ。ボトルが濃い色をしているのは、そんな紫外線から守るためなんです。

そして、先ほどお伝えした新聞紙で包む方法は、紫外線を遮るだけでなく、ラベルの保護や、複数本保管する際の瓶同士の衝突防止、軽い振動や衝撃の緩和にも役立ちます。

ほんのひと工夫で、ワインの美味しさはぐっと長持ちするので、ぜひ取り入れてみてください。

ワインボトル

あや:「日光臭」という現象があるのは知らなかったです!ボトルが気に入ってリビングに飾ってしまっていたこともあったんですが、飾るなら空きボトルじゃなきゃダメですね。

ワインを保管するための豆知識

── ワインの保管は立てる?寝かせる?

あや:ワインは「横に寝かせて保存するのがいい」と聞いたことがありますが、本当ですか?

角野:自宅で一年間くらいの保管であれば、横置きか縦置きかをそこまで気にしなくても大丈夫ですよ。

「横に寝かせて保存するのがいい」というのは、よく言われますがこれも諸説あり、なかなか言い切るのが難しいんですよね。

青樹:どちらか悩む場合、これまでの長いワインの歴史では横置きが良いとされているので、それに倣うのも良いかもしれません。

あや:そこまでセンシティブに考えなくていいんですね! 立てるか寝かせるかというよりは、温度変化や遮光の方が大切だと感じました。

ワインボトル 保管

── 赤ワインと白ワインで保管方法は違うの?

あや:あとこれも聞きたかった!!赤ワインと白ワインでは保管方法に違いはあるのでしょうか?

青樹:基本的な保存の考え方は、赤も白も同じです。違いがあるとすれば、それぞれの「耐える力」でしょうか。

赤ワイン、とくにフルボディタイプは、タンニンや酸、アルコール度数が比較的高く、白ワインに比べて保存に耐える力があります。

一方、白ワインはフレッシュな果実味や爽やかな酸味を楽しむものが多く、もともと短期間で飲まれることを前提に造られていることも多いです。さらに、透明ボトルが多いため紫外線の影響を受けやすく、赤ワインよりも少し慎重に扱ってあげるといいですね。

ワイン 保管

ワイン自宅保管の失敗エピソード

── 冷蔵庫に入れたり、常温に戻したりを繰り返してしまった

あや:白ワインを飲もう!と思って冷蔵庫で冷やしたんですが、結局飲まず…。冷蔵庫のスペースが足りず入れっぱなしにできなかったので、また常温に戻しました。これって劣化してしまったのでしょうか?

角野:あるあるですよね、気持ちわかります!数回程度であれば、大きな問題はありません。ただし、温度を戻すときはできるだけ“ゆっくり”を意識してください。

冷蔵庫から常温に戻す場合は、涼しい部屋で一晩かけて慣らすのがおすすめです。そうすれば、ワインへの負担を最小限にできますよ。

── コルクが劣化してしまった

あや:購入から2年くらい経ったワインを開けるときに、コルクがボロボロになってしまったことがあるのですが、保管方法が悪かったのでしょうか?

青樹:コルクがボロボロになる原因はいくつかあります。

例えば、開け方の問題。スクリューを斜めに刺したり、力をかけすぎたり、何度も差し直してしまうと崩れやすくなります。初心者の方は、まっすぐ、ゆっくりを意識して開けてみてください。

ワイン 開け方

また保管環境も影響する場合があります。30℃を超える高温下で保存していた場合などに、コルクは劣化しやすくなることもありますね。

さらに、10年以上経過した熟成ワインでは、経年による自然な劣化や、素材・個体差による品質不良もあります。その際は、熟成ワインの抜栓に向いている二枚刃タイプのオープナーを使うのもおすすめ。

角野:もしコルクが崩れてしまっても、香りに異常がなければ飲むことは可能です!浮いたコルク片はフィルターや茶こしで取り除けばOK。ただし、酸化臭やカビ臭など明らかな異臭がある場合は、残念ですが飲まない方がいいですね。

あや:コルクが崩れても飲めると教えてもらえてよかったです!せっかく飲もうと思ったのに、飲めないのは悲しいですもんね。

ワインセラーがなくてもできる、美味しさを守るひと工夫

ワインの保管とひと口に言っても、温度や紫外線、置き方など、ちょっとしたポイントを押さえるだけで美味しさはぐっと長持ちします。
ワインセラーがなくても、工夫次第で大切な一本を守ることは十分可能です。

そして何より——知らないからこそ、おもしろい。
そんなワインとの時間を、あなたも一緒に味わってみませんか?

ワイン 保管 保存