ゆるワイントーク SUBRINA

ワインが好き。でも、まだよくわからない。
銘柄も、ぶどうの種類も、味の違いも…知らないことだらけ。

それでも、美味しいごはんと一緒にワインを飲む時間が、なんだかとっても幸せ——。

この連載は、ワイン初心者“あやさん”がSUBRINAのソムリエ2人とゆるりと話しながら日常の中で見つけた小さな発見や、ふと湧いた疑問をひとつずつ解決していきます。

読み終えるころには、あなたもきっと「やっぱりワインっていいな」と感じられるはず。

今回のテーマは、あやさんが「いつもなんとなくで済ませちゃってる」と気になっていた、“ワインを飲むときの温度”。

自宅でもすぐ試せる温度のコツを、ソムリエとの会話とともに、楽しくご紹介します。

あや

あや

ワイン好きエディター

もっとワインを楽しみたい。そんな想いから、少しずつワインを学んでいます。ワイン初心者の立場で、日頃感じる疑問や気づきをお聞きします。

青樹 英輔

青樹 英輔

SUBRINA 代表/J.S.A.認定ソムリエ

お酒が生み出す素晴らしさを、日々探究しています。学び重ねてきたワインの引き出しから、できるだけ噛み砕いてご説明します。

角野 茉里子

角野 茉里子

SUBRINA ブランドマネージャー/J.S.A.認定ソムリエ・WSET Level3

ワインの背景やストーリーを探究することが好きです。ワインを身近に感じていただけるよう、わかりやすい言葉でお伝えします。

温度で変わる、ワインの「おいしさ」のひみつ

── 同じワインでも味が変わる? 温度は「味のスイッチ」!

あや:赤ワインって「常温で飲むのがいい」ってよく聞くんですけど、本当ですか?

青樹:いい質問ですね!実はかなり違うんです。たとえば、渋みや酸味は温度が高いとやわらかく感じられて、低いとキリッとシャープに。それから口当たりも、温かめだとふくよかに、冷たすぎるとタイトで引き締まった印象になりますよ。

角野:味わいだけじゃなくて、香りの違いも面白いですよね。温度が上がると香りがふわっと開いてきますけど、冷たすぎると閉じてしまって、あまり感じられなくなります。

あや:なるほど…たしかにこの前、室温のSUBRINAと冷やしたSUBRINAを飲み比べてみたら、まるで別のワインみたいで驚きました!

青樹:まさにそれがワインの面白さなんです。温度は「ワインの表情」を切り替えるスイッチのようなもの。同じボトルでも、飲むタイミングや環境によってまったく違う楽しみ方ができます。

角野:お店で飲むと、「このワインはこういう温度で出すんだ!」って気づきがあって、勉強になることも多いんですよね。それもまた楽しいです。

── 赤ワイン=常温、はちょっと誤解? 「ちょうどいい温度」って何度?

あや:赤ワインって「常温で飲むのがいい」ってよく聞くんですけど、本当ですか?

青樹:そうですね。ただ、「常温」ってひと言で言っても、日本とヨーロッパではその基準がけっこう違うので、ちょっと注意が必要なんです。

ヨーロッパでいう常温は、だいたい15〜18℃くらい。でも、日本の夏の室内って、25〜30℃になることもありますよね。つまり、日本の「常温」でそのまま赤ワインを飲もうとすると、ワインにとってはちょっと暑すぎるんです。

あや:たしかに!季節によっても変わりますし、冬は暖房をつけてるから室温が高くなってることもありますよね

角野赤ワインをおいしく楽しむなら、15〜20℃くらいの「やや涼しい室温」が理想的。このくらいの温度だと香りがふわっと開いて、タンニンの渋みや酸味もやわらいで、ふくよかでバランスのよい味わいになりますよ。

── 冷やしすぎ注意!白ワインのベストな温度とは

あや:私は白ワインが好きで、いつも冷蔵庫でキンキンに冷やして飲んでるんですけど、それって正解なんでしょうか?

青樹:白ワインって、「よく冷やして飲むもの」っていうイメージが強いですよね。でも実は、ワインのタイプによって適した温度が少しずつ違うんです。

今回は、日本ソムリエ協会の教本を参考にしながらお話しできればと思います。この表を見てもわかるように、同じ白ワインでも味わいやスタイルによって、適温が数℃変わってくるんですよ。

ワインの提供温度一覧

角野:フレッシュなタイプと、樽の香りがあるようなリッチなタイプでは、香りの出方も全然違いますよね。

青樹:その通りです。あやさんはどんな白をよく飲まれますか?

あや:ミネラル感のある、海沿いの産地の白ワインが好きですね。あとはフレッシュで爽やかなタイプも!

青樹:それなら、6〜12℃くらいのしっかり冷やした温度がぴったりです。ただし、冷やしすぎには注意。香りが閉じてしまって、せっかくの風味が感じにくくなってしまいます。

角野:たしかに、ずっと冷蔵庫に入れっぱなしだったワインを出してすぐ飲むと、ちょっと味がぼんやりしてる気がするかも…。

あや:ちなみに、白ワインって常温で飲んでもいいんですか?

青樹:タイプによっては、むしろ常温に近いほうが魅力が引き立つ場合もありますよ。
たとえば、樽熟成タイプやしっかり熟成された白ワインは、温度が少し上がることで香りやコクが豊かになりますよ。

── スパークリングはなぜよく冷やすの? 泡と香りのバランス

あや:スパークリングワインって、やっぱりしっかり冷やしたほうがいいんですよね?

角野:基本的にはその通りです。スパークリングは食前酒として飲まれることが多くて、爽快感や泡のきめ細かさを楽しむためにも、しっかり冷やしておくのがおすすめです。冷えていると口当たりもシャープになりますしね。

ただ、すべてのスパークリングが「キンキンでOK」ってわけではないんです。

あや:えっ、そうなんですか?

角野:たとえば、熟成感のあるシャンパーニュ…プレステージやヴィンテージといったタイプは、冷やしすぎると香りが閉じてしまうんです。10℃前後くらいにしておくと、香りがしっかり開いて、奥行きのある味わいを楽しめますよ。

青樹:タイプによって異なるので、ワイナリーやショップで買うときに、「何度くらいがちょうどいいですか?」って聞いてみるのもいいかもしれませんね。

自宅で温度を調整する簡単テクニック

── ワインを冷蔵庫で冷やすなら、何時間前に入れる?

あや:ワインを冷やしたいときって、冷蔵庫に何時間前から入れておけばいいんですか?

角野:冷やすタイミングって、実はけっこう大事なんですよ。知っておくと、おうちワインがグッとおいしくなります。

たとえば、スパークリングや白ワインなら、飲む3時間前くらいに冷蔵庫に入れておくとちょうどいい感じに冷えます。ライトボディの赤ワインなら1時間前が目安ですし、フルボディの赤ワインは冷やさずそのままでも楽しめますよ。

あや:へぇ〜、意外と早めに準備したほうがいいんですね。

青樹:冷蔵庫って、だいたい5℃くらいの温度なので、入れっぱなしにすると逆に冷えすぎてしまうこともあるんです。

目安としては、ワインを1時間冷蔵庫に入れておくと、だいたい10℃くらい温度が下がると言われています。逆に「冷やしすぎたかも…」というときは、室温に1時間ほど置いておくと、10℃ほど戻せると考えてください。

あや:なるほど〜、意外と温度って調整しやすいんですね!

青樹:そうなんですよ。もし冷えすぎちゃったときは、グラスに注いでからボウルの部分を手で軽く温めるだけでも香りが戻ってきます。

季節や部屋の温度にも左右されるので、あくまで目安にしつつ、ワインに合わせて柔軟に調整してみてくださいね。

── ワインクーラーの本当の役目とは? シーンで使い分ける「冷やし方」のコツ

あや:白ワインって、お店だとワインクーラーに入れて出てくることが多いですよね。やっぱり、冷やしながら飲んだほうがおいしいんですか?

青樹:そういうイメージ、ありますよね。でも実は、冷蔵庫で冷やした状態から飲み始めて、だんだんと温度が上がっていく変化を楽しむというのも、すごくおすすめの飲み方なんです。

温度が少し上がることで、香りが開いたり、味わいにふくらみが出たりすることもありますからね。

角野:必ずしもワインクーラーに入れっぱなしにする必要はないんですけど、夏場など室温が高くなりがちなときや、冷たい状態でキリッと飲みたいタイプの白ワインのときは、ワインクーラーを使うのがいいですね。

あや:なるほど〜。ワインのタイプとシーン、どっちも考えて使い分けるのがポイントなんですね!

ワインの温度、ちょっと気にするだけでもっとおいしくなる

ワインの温度とひと口に言っても、赤・白・スパークリングで最適な温度はさまざま。ほんの数度の違いで、香りの立ち方や味わいの印象が大きく変わるからこそ、「ちょうどいい温度」を知っておくと、ワインの楽しみはぐっと広がります。

特別な道具がなくても、自宅でできる工夫はたくさん!温度との対話を、あなたもぜひ楽しんでみませんか?