Our Beach Life
チーズとワインのライフストーリー
海とお酒が心地よさを深めるビーチライフの中で、ワインとチーズは特別な存在。今回は、料理を愛し、チーズ専門フレンチレストラン「バール ア フロマージュ スーヴォワル」のオーナー谷田さんのワインとのマリアージュについてお伺いしました。
料理を仕事にしようと思ったきっかけは?
「子どもの頃から食に興味があって、自然と飲食に関わる仕事を志すようになったんです。兄から、海上自衛隊でパン作りやいろんな料理経験が積めるって聞いて、入隊を決意しました。約300人乗りの護衛艦で、和食から洋食、中華まで、多彩な料理を献立に従って作っていました。特に金曜日のカレーは定番でしたね。
調理班の長は隊員の健康を考えて、バランスの取れたメニューを提供していました。約10人の調理班で1日4食を作る生活は、特殊ではありましたが、今思えば本当に楽しい思い出です。」
チーズプロフェッショナルを目指したワケ
「自衛隊を退職してから、色々な飲食店で修行する日々を送っていました。そんな中、奮発して東京の高級レストランに勉強のために行ってみたんです。今まで味わったことのない、目も心も満たしてくれる華やかなひとときで、そこで心を奪われたのがチーズのワゴンサービスでした。
当時はまだ、チーズプロフェッショナルという資格はあまり知られていなかったんです。でも、その資格を持った方の美しい所作と丁寧なサービスに感動して、チーズに興味を持ち始めました。チーズの情景や作るまでのストーリー、味わいをわかりやすく伝えてくれるだけで、料理がより味わい深く感じたのは初めての経験でしたね。」
チーズをテーマにしたフレンチレストラン
「鎌倉のチーズレストラン「スブリデオレストラーレ」で修行をしている中で、ますますチーズと料理の組み合わせに魅了されていきました。この経験を通じて、チーズの美味しさを最大限に引き出す料理を提供するレストランを開きたいという夢を抱くようになったんです。
レストランで働く中で、一番嬉しいのは、お客様にチーズを提供して、旬の食材や飲み物と合わせたときに見せる幸せそうな表情。お客様が思わず「しあわせ」と声に出してしまう瞬間に、チーズの持つ特別な魅力を強く感じます。そんなチーズを通じて、もっと多くの人に幸せを届けたいと思い、努力しようと決意した瞬間は今でも忘れません。」
谷田さんが手がける「バール ア フロマージュ スーヴォワル」
「うちのお店は、上質なフロマージュと旬の食材を使った、チーズ専門のレストランです。チーズプロフェッショナルの私が、チーズに合わせて選んだワインペアリングを一緒に楽しんでもらいたいと思っています。
尾山台 チーズスタンドLabさんの「リコッタサラータ」
お店をやっていて一番嬉しいのは、お客様が苦手なチーズをうちの料理や組み合わせで気に入ってくれる瞬間ですね。たとえば、ヤギのチーズが苦手っていう方、多いんですよ。でも、ヘーゼルナッツと合わせたり、ソースとして使うことで、新しい味わいに出会ってもらい、好きになってくれることが多くあるんです。
映画「フロマージュ・ジャポネ」特別コラボメニュー
私にとってチーズは、人生を豊かにしてくれる特別な食材。ミルクが様々な形に変わり、保存食にもなり、風味も豊かに感じられるんです。作り手や熟成の仕方によって異なる味わいが生まれて、食べた人の心を豊かにしてくれると信じています。」
ワインキャップで作るアートが作り手と飲み手を繋げる
「ソムリエの仕事をする中で、どうすればお客様にもっとワインを楽しんでもらえるか、ずっと考えていました。作り手と飲み手、それにお店を繋げる何かが欲しかったんです。1本のワインを味わい尽くして、思い出に残す方法を探していたんですよね。
ある日、試しにお客様のウェルカムネームプレートをワインのキャップシールで作ってみたんです。すると、お客様にとても喜んでもらえて、反響も大きかった。それがきっかけで、フランスのチーズショップオーナーにプレゼントするために本格的に作品を作るようになりました。
過去には恵比寿のブルーノートや自由が丘のギャラリーなどで個展を開催。飲食店やワイン愛好家の方々に作品を楽しんでいただいています。」
「私の作品はワインのある食卓をより豊かに、ワインの液体やそれらに関わるもの全てに感謝して”味わい尽くす”という思いで作成しています。テーマは絶滅危惧種の”ボトルネック効果”になぞらえたもので、動物などをモチーフにしています。
基本的にはワインのキャップシールの色合いのみで作成しており、キャップシールをねじったり、やすりをかけたり、工夫して使用しているんです。こうしたアートを通じて、ワインの魅力が少しでも伝われば嬉しいですね。」
SUBRINAに合うチーズはどんなもの?
「SUBRINAの赤ワインに合うチーズを探すなら、羊乳のチーズが一押しです。噛み締めると旨みが広がるチーズで、塩気とコクが絶妙なんです。このチーズのハードな味わいが、SUBRINAのダークチェリーっぽさと相性抜群。ちなみに、このチーズは北海道足寄にある「しあわせチーズ工房」で作られています。
「なすの」山羊チーズ
他にも、栃木で作られているシェーブル、特に「なすの」というチーズもおすすめ。ベリーっぽい酸味が、SUBRINAワインのフルーティな風味にぴったりだと思いました。素材の味を引き立てる柔軟な味わいで、料理の引き立て役としても優秀です。
SUBRINAワインとともに、ぜひこれらのチーズを楽しんでみてくださいね。」
SUBRINAを飲んだ感想を教えてください
「噂には聞いていた海底熟成ワインの初めてのテイスティングという事で、抜栓前から非常にワクワクしていました。海で仕事をしていた事もあり、とてもロマンも感じます。実際に開けてみると、注ぐ瞬間からすでに感じる豊かな香り、グラスいっぱいにあふれる少し煮詰めたような黒いフルーツなどの甘い香り、若干のスパイス感。
香りのボリュームからタンニンなども強いワインのイメージを持ちましたが、口に含むと非常に滑らかで果実味豊か、エレガントな酸があるので、重くもなりませんでした。
“蝦夷鹿のロティ”というソースグランヴヌールにブラウンチーズを合わせた料理を提供しているのですが、そのような料理にもぴったりなワインかと思います。
実際に、知り合いのソムリエ やワイン好きのご常連の方などにもSUBRINAをブラインドテイスティングいただきましたが、非常に好評いただき、海底熟成の魅力を実感しました。」