Our Beach Life
海とアートをつなぐライフストーリー

「いつか海のそばで暮らしたい。」そんな想いを胸に抱き続け、たどり着いた場所は鹿児島県・種子島。そう語ってくれたのは、SUBRINAのWEBコンテンツ「ゆるワイントーク」のイラストも手がける、イラストレーターのMORIHARUさん。

自然とともに生きる島での暮らし。海がもたらすインスピレーション。そして、その日々の中で見つけた「豊かさ」について伺いました。

もう一度、自分の夢を叶えたくて

イラストレーターになる前は、美術の教員として約10年間働いていました。幼稚園や小学校、中学校で子どもたちと向き合う毎日はとても充実していましたが、中学3年生の担任をしていた頃、進路指導で生徒たちに将来の夢を聞いているとき、ふと自分自身に問いかけたんです。

「私の夢って、なんだったっけ」

子どもの頃は、デザイナーや漫画家など、絵を描く仕事に憧れていました。創作活動はずっと続けていましたが、「仕事にしよう」と考えたことはありませんでした。でも、そのとき初めて、「自分の夢をもう一度叶えてみたい」と思ったんです。

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そこから教員を辞め、イラストレーターとして新しい一歩を踏み出しました。2016年からはイラストをSNSで発信し始め、少しずつ活動の幅も広がっていきました。

現在は、雑誌や書籍の挿絵をはじめ、ブランドのパッケージイラストやホテルのウォールアート、サーフボードへのペイントなど、さまざまな作品を手がけています。

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海のある暮らしを求めて、たどり着いた種子島

兵庫県の三木市で育ち、自然は身近にありましたが、旅行へ行くなら沖縄など海のある場所を選ぶことが多くて。「いつかは海の近くで暮らしたい」という気持ちは、ずっと心の中にあったんです。

イラストレーターとして活動を始めた頃は、打ち合わせも対面が中心で、仕事は都市部で行うものというイメージがありました。そんな暮らしが変わるきっかけになったのが、コロナ禍です。リモートで仕事をする機会が増え、住む場所を自由に選べるようになったことで、本格的に移住を考え始めました。

最初は高知への移住がほぼ決まりかけていたのですが、当時の状況もあって話がうまくまとまらず、一度は断念しました。そんなとき、以前から行ってみたかった種子島を訪れる機会があったんです。

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友人の家に遊びに行くと、「ちょうど引っ越すから、この家が空くよ」と言われて。その瞬間、「じゃあ、ここに住みたい」と思いました。

そこは、田んぼと山に囲まれた静かな一軒家。海までは車ですぐという、私にとって理想の場所でした。どこまでも広がる空を見たとき、「この景色の中で暮らしたい」と自然に思えたんです。

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古民家なので多少の不便さは想像していましたし、地域の暮らしになじめるかなという不安も少しはありました。それでも、その不安より「ここで暮らしたい」という気持ちのほうが、ずっと大きかったですね。

島で知った、「足るを知る」という豊かさ

種子島での暮らしは、便利とは言えません。海が荒れると船が止まり、食料品が届かなくなることもあります。天気ひとつで生活のリズムが変わるのは、この島では当たり前のことです。

最初は驚きましたが、島の人たちは誰も慌てません。「船が出ないなら仕方ないよね」。そんなふうに、自然に抗わず、淡々と受け入れて暮らしています。その姿を見ているうちに、私自身も「ここではそういう暮らしなんだ」と思えるようになりました。

備蓄をたくさんするわけでもなく、「お米もあるし、お漬物もあるから大丈夫」と笑っている島の人たちを見ていると、不思議とこちらまで安心するんです。

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もちろん不便さはあります。でも、その代わりに、美しい自然がすぐそばにあって、混雑を気にせず友人たちと海に入れる時間がある。暮らしの中で、“豊かさ”や“幸せ”にはいろいろな形があることを教えてもらいました。

今あるものに目を向けること。それだけでも十分満たされているんだと、この島で少しずつ感じられるようになった気がしています。

作品に映る、海がくれたひととき

海は、私にとって自分自身に戻れる場所です。どこまでも続く水平線を眺めていると、心がスーッと軽くなって、遠くまで連れて行ってもらえるような気持ちになります。

でも、海は優しいだけではありません。穏やかな凪の日は本当に美しいけれど、一度荒れ始めると、人は何もできない。海に囲まれた島で暮らすようになって、その大きな力を日常の中で何度も感じるようになりました。

だからこそ、自然への敬意を忘れず、その存在に支えられながら暮らしているんだと思っています。

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そんな日々を過ごすうちに、描きたいものも少しずつ変わっていきました。

以前は、海そのものの景色を描くことが多かったんです。サーフィンをするために何時間もかけて和歌山や四国へ通っていた頃は、海を見ること自体が特別で、その景色を残したいという気持ちがありました。

でも、種子島では海は毎日の風景。今は景色そのものではなく、海で感じたことや、自然に心を動かされた瞬間を描くことが増えました。

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誰もいない海岸を歩いたときの開放感や、強い風の中で自然の大きさを感じたときの気持ち。そんな言葉にならない感覚を、作品に込められたらと思っています。

制作で一番大切にしているのは、自分自身がワクワクしているかどうか。「完成した作品を早く見たい」と思えるときは、不思議なくらい筆が進むんですよ。

反対に、描いていて心が動かなくなった作品は、思い切って手放すこともあります。自分が心から動いたものだからこそ、見る人の心にも届く。そんな作品を描き続けたいと思っています。

人とつながる、お酒のある時間

海とお酒の思い出で真っ先に浮かぶのは、若い頃にサーフィンをした帰りのことです。夏の暑い日に海から上がって、みんなでキンキンに冷えたビールを飲む。海上がりの一杯は格別で、「今日の波よかったね」と、その日の出来事を語り合う時間も大好きでした。

一方で、種子島へ来てからは、お酒との付き合い方も少し変わりました。夕方に海へ入り、お風呂を済ませて、ゆっくり夕飯を楽しむ。そんな島のリズムが、今ではすっかり日常。

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近所の方からいただいた野草や安納芋で天ぷらを揚げ、台所で少しずつお酒を飲みながら、つまみ食いする時間は、何気ないけれど、とても贅沢なひとときです。

また、島ではBBQに誘っていただく機会も多く、近所の方はもちろん、旅行で訪れた方や移住者の方とご一緒することもあります。お酒を囲むと自然と会話が弾み、新しい出会いが生まれるのも、この島ならではの楽しみ。

派手なお酒の席ではなく、美味しいものを囲みながら、人とゆっくり語り合う時間。その穏やかなひとときこそが、今の私にとって一番心地いい、お酒との付き合い方なのかもしれません。

SUBRINAを飲んだご感想

moriharu

口に含んだ瞬間、まるで葡萄の果汁を味わっているかのように、フルーティーな香りと爽やかな甘さが広がりました。飲んだ後には心地よい余韻も感じられますが、一般的な赤ワインにあるような渋みやクセはなく、すっきりとした飲みやすさが印象的です。

「これはどんどん飲めてしまうな」と思うほどのおいしさ。つい飲み進めてしまいそうな、魅力たっぷりの味わいでした。


Special Thanks/海と本

今回の撮影にご協力いただいたのは、鎌倉・長谷にある海と本が好きな人のための本屋兼ギャラリー「海と本」。アートブック、写真集、絵本などを中心に取り扱っており、静かな空間で本と海を楽しむことができます。

公式サイト:
https://umi-to-hon.jp/

Instagram:
https://www.instagram.com/umi_to_hon_jp/